鍼灸のよくある質問
■ 鍼灸は本当に効くの?
はい、過去2,000年間で他の物理的療法によるものより鍼灸による治療の患者さんの方が多いです。本日、中国や日本などアジアだけではなく、旧ソ連、ヨーロッパ、アメリカで広く実施されています。特にアメリカすでに九百万~ー千二百万人が鍼灸治療をうけているなど人気が高まっています。
■ お灸はどんな作用があるの?
(1)施灸による白血球の変化についての研究は数多くなされており、施灸によって白血球数が増加することで免疫力が高まることが証明されています。
(2)灸による刺激は局所の起炎物質の遊離を引き起こし、体液性調整の機構に直接影響し、さらに末梢神経より中枢神経に伝達され、そこで体液に間接的に作用すると考えられます。
■ 鍼治療って痛くない?
鍼治療というと”痛い”というイメージをお持ちの方が、 多いと思いますが、体質、敏感さに応じて、鍼 の太さ、手技を変えて治療を行います。決して痛いものではありません。
■ 鍼が合わないことはありますか
基本的に金属アレルギーの方以外は鍼が合わないという事はありません。あった場合は体質と行った治療法との相性が悪かったと思われます。一口に鍼治療といってもいろいろなタイプの方法があリます。治療院を変えて見て、きっと自分に合う先生を見つけられると思います。
■ 鍼灸治療間隔はどのぐらいでいい
症状によって違いますが、痛みが強い場合は間隔を空けずに数日続けた方が効果的です。 難病や慢性疾患の方は週1~2回で、健康管理や病気の予防などは月1~2回でいいと思います。 先生により考え方は様々です。よく相談した上で治療を受けましょう。
■ 西洋医学との併用は大丈夫ですか
中国では総合病院の中に必ず鍼灸科が設けられています。場合によって相乗効果が、かなり認められていますが、 症状、病状によってことなりますので、お気軽にご相談ください。
■ 鍼で病気に感染することはない
鍼治療を受けてみたいですが、エイズや肝炎などが感染しないか心配だという声も聞かれます。昔は、安全、衛生の管理が十分でない面んもあったかもしれないです。しかし、現在の鍼灸院は、安全面も衛生面も非常に改善されてきました、本院鍼治療の際に使っている鍼は、ディスポーザブルタイプ(使い捨て)の鍼です。患者さんへの感染はまずないと考えてよろしいです。
■ 鍼灸はなぜの鎮痛作用があるの
◆ 脳内鎮痛物質の発見
鍼の鎮痛効果に関する研究は多数あります。その中で、鍼を打つことによって痛みが止まる、軽くなるといった鎮痛効果については、近年の脳内鎮痛物質の発見によってかなりのことが分かってきました。鎮痛作用は、ツボに鍼を打つことによって、その刺激が脳や脊髄といった中枢経路を経て、エンドルフィン、エンケファリン等の鎮痛物質を分泌させ、それらによって痛みが遮断されるためではないかと説明されているのです。
◆ 脳内鎮痛物質のこと
エンドルフィン、エンケファリンといった脳内鎮痛物質は、脳内に鎮痛薬モルヒネのレセプター(特定の物質だけを選択的に受け入れる受容体)が存在することから、モルヒネに似た科学構造を持つ物質があるのではないかと考えられ発見されました。言ってみれば、人間が自分自身で生産している鎮痛剤なのです。
◆ 鎮痛作用以外
鎮痛作用以外では、鍼刺激によって交感神経の作用が抑制、副交感神経の作用が亢進すること、抗アレルギー作用、抗炎症作用を促す生体防御反応が現れることなどが報告されています。最も重要な作用は全身を調整することである。鍼灸治療は疾病ではなく、患者を治療対象としており、針灸などで刺激してツボに働きかけ、身体の自然治癒力を目覚めさせて疾病を回復させる。難病の治療に重要な意味を持つ。
■ 鍼灸と現代難病
◆ 現代の難病
今世紀に入ってから抗生物の登場により、かつて猛威を振った伝染性や感染性の病気は、劇的に減った。しかし、同時に新たに出現した病気が徐徐に人々の生活を脅かすようになってきた。その中のいくつかは、すでに死亡原因の上位を占めるようになってきている。それは難病と呼ばれ、西洋医学の攻撃目標であり、最も頭を悩ませている病気である。そして、古くから東洋医学と鍼灸は難病治療の有効性と潜在力をますます発揮し始めている。
◆ 鍼灸の臨床
鍼灸治療は多くの臨床実験と実験観察によって、全身に対する作用であることがわかっている。鍼灸は全身の器官系統、神経、呼吸、心臓血管、消化、血液、内分泌、免疫などを調整し、いろいろな難病に働きかける。例えば、鍼をすると大脳皮質中の対応した神経細胞が興奮することから、脳出血の後遺症、脳性麻痺などに針灸治療が効くことの説明ができる。また鍼灸は恐らく視床下部と脊髄路の連絡部分の助けを借りて造血作用を調整し、血液の貯蔵と排出のプロセスを調整することで多くの血液疾患を治療できる。
また、簡便の鍼灸療法には良好な相乗作用がある。いくつかの治療法を同時に使って一つの病気を治療すればよりよい効果を得られる。例えば、抗癌剤で癌を叩きながら、鍼灸を使って免役を高めれば、がんを縮小させたり、癌によって起こる痛みを慎めたり、化学療法によって起こる副作用を弱めることが出来る。
現在の難病治療では、やはり現代医学が中心となるが、その病気の原因がよく判っていなかったり、西洋医学で有効な治療法がない場合、それを助けるのが人間を一つの有機体とみなす東洋医学であり、鍼灸である。
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